そうだカラスミをつくろう~とある学生の奮闘記~

どうも、当研究室に所属する学生です。


突然ですが、皆さんカラスミをご存知ですか?

お酒を嗜まれる方はもちろん知っていらっしゃることでしょう。

そうです、アレです。黄色っぽい茶色っぽい細長い扁平なアレです。

バナナと一緒に生えてても、0.01秒ぐらいは気づかないだろうアレです。


カラスミは通常、ボラの卵巣からつくられます。

その作成の煩雑さと困難さから、良いものとなると1万円以上する高級食材です。

スライスしたものをそのまま食べたり、パスタとあえたりと、使い道は様々です。


(カラスミ食べたいけど、拙者のような学生には手が出ないなぁ)

そう思っていた矢先・・・

鹿児島市の田中水産様から購入したブリに、巨大な卵巣を見出しました!


当研究室の大富教授いわく、カラスミはボラ以外の魚の卵巣からも作れるらしい。

これは作るしかないでしょ!

こうして、筆者とカラスミの壮絶なる戦いの日々が始まりました。


まずは血抜きです。

卵巣表面に見える血管に針を刺し、血を抜いていきます。

とても地味な作業ですが、カラスミの風味を左右する大事な工程らしい(正直、これが一番大変でした)。

鮮度が落ちないように、氷で冷やしながら、慎重に血を抜いていきます。


作業を行ったのが夜の9時ごろ。

眼がしょぼしょぼでおやすみモードに入っていた筆者は、2、3回自分の血抜きも行いました。


こうして無事、血抜きが終了しました(?)

まだ血残ってるやんというご意見は、今回スルーさせていただきます。


次は塩漬けです。

塩を使って、水分を抜いていきます。

塩をまぶした卵巣をキッチンペーパーでくるみ、上から重しを載せて、冷蔵庫で一晩寝かせます。


翌朝

キッチンペーパーがビショビショになるくらい、むっちゃ水分出てました。

お前どこにこんな水分隠してたんだよ・・・

この卵巣(以下愛称:タマゴン)に謎の愛着が湧いたのは、この頃からです。

キッチンペーパーを交換しながらこの作業を5日ぐらい行いました。


続いて塩抜き

すっかり塩味になったタマゴンを、今度は酒につけて、塩を抜いていきます。

軽くググったところ、この塩抜きには、お高い日本酒などが使われるそう。


いやねぇよ!


アパートの1室に、そこそこ大きな声がこだましました。


仕方ないので、持ち合わせていた芋焼酎に漬けることに・・・

やっぱ鹿児島県民なんでね!(震え声)

多分1週間ぐらい漬けました(途中一瞬存在忘れてた)。


最後は乾燥です。

泥酔したタマゴンをトレーにのせて、ラップをせずに冷蔵庫へ。

朝晩1回ずつ裏返しながら、ミイラ化しないよう表面に追い芋焼酎を塗りながら、これも約1週間行いました。


こうして完成したものがこちらになります。


お世辞にもきれいな見た目ではありませんが(笑)


こちらが断面。

断面はわりときれいです。


早速実食!


皮はやや固いですが、生臭さなどはなく、味は完璧でした!

1200種類以上の魚を食べてきた大富教授にも食べていただいたところ、見事合格をいただきました。


これから数週間は、酒のつまみに困らなさそうです。


鹿児島大学 水産学部 水産資源科学分野 資源生物学研究室

世界でいちばんたくさんの種類の魚を食べる研究室

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